ウェルビーイングが何を意味するかは、人によってさまざま。身体的、精神的、社会的なウェルビーイングのバランスが、「健康であること」「最高の自分を実感できること」の核となる。
 

ウェルビーイングが何を意味するかは、人によってさまざま。身体的、精神的、社会的なウェルビーイングのバランスが、「健康であること」「最高の自分を実感できること」の核となる。

パラリンピアンでモデルの一ノ瀬メイという、それぞれの分野でインスピレーションを与える3人の女性に最近インタビューし、ウェルビーイングについて、そして情熱を追求することがいかに彼女たちの健康への旅に影響を与えたのかを語ってもらった。
 

 

 

アイリーン・キム

モデル, 起業家

力強い自信と確固たる労働倫理、それらとバランスを取る謙虚な感謝の念、これらがオンライン上でもIreneisgoodとして知られている、アイリーン・キムの特徴である。アイリーンにとってウェルビーイングとは、過去や未来を心配するのでなく、今この瞬間に何が起きていて、どう感じているのか、自分に問いかけること。
 

「最終的にはたくさん自分を知って強い信念を持つことが、落ち着きと自信につながると思っています。」
 

ランウェイでも、スクリーンでも、サッカーのピッチでも、韓国系アメリカ人の彼女がどこでも活躍できるのは、バランス、ウェルビーイング、健康に対するコミットメントが合致しているからだろう。

多くの人は、その裏側で何が起こっているのか見えていないのではないだろうか。「人には、朝起きたらこうなっていたなんて思われているかもしれないけれど、そうではありません。SNSで『うわー、とっても健康そう』と言われると、『そう、だって毎日運動しているし、自分が健康でいることを大切にしているからね』と。これは努力だし、投資です。」

10代の頃はダンスやバレーボールをし、現在はヨガやピラティスを実践しているアイリーンは、活動的であることがエネルギーレベルの維持につながり、活動的であることでマインドがよりよく機能すると強調している。

パンデミックのときには、不眠を解消するために朝からメディテーションを始めたそう。「ある意味自分勝手になって、自分が喜ぶことをする。それが、メンタルバランスの核となるものだと思っています。」

今日、アイリーンにとって、健康はこれまで以上に優先されるべきもの。「ファッションのコンテンツが多い中、ウェルビーイングやバランスに関するトピックにより力を入れていこうと思っています。だって一年前の自分とは全く違うバージョンの自分だって感じるから。そして、それこそが2023年に取り組みたいことだって思います。」<
 

ナオミ・ヨー

女優, ルルレモンアンバサダー

シンガポールの女優でルルレモンのアンバサダーを務めるナオミ・ヨーにとって、探求と成長に必要なサポートを得ることは、ウェルビーイングの旅において重要なことだった。
 

ナオミは昔を思い出すと、両親の「失敗してもいい、いろいろな道を試していい」という余裕のある姿勢に感謝していて、その結果、自分の人生の方向性を見出すことができたと振り返る。

ある瞬間が特に印象的だった。それは、友人たちが大学へ進学し、彼女はニュージーランドでのバックパッカー生活に興味を示していたときのこと。彼女の父親はナオミが学校ではなく、海外での生活を必要としていることを察知し、海外生活を経験させることにした。

18歳でシンガポールのエンターテインメントシーンに登場したナオミは長い道のりを歩んで来て、現在、女優、声優、歌手、司会など、さまざまな顔を持っている。

たとえ一人でも、心に響く言葉をかけてくれる人がいれば、ウェルビーイングは大きく変わるとナオミは信じている。

 

「励ますっていうことが、よく誤解され、過小評価されていると感じます。それって、エネルギーを発信し、誰かに”ひとりじゃないよ”と気付いてもらうことなんです。」

 

バックパッカーという人生を転換させた体験について、ナオミは「自分に語りかけ、孤独を感じたときに前向きになれる方法を教えてくれた」と語り、それは心のウェルビーイングに役立つステップであることを明かした。

このことが、現在の彼女の人生における課題への対処の基になっている。ナオミは、コミュニケーションやモチベーションを上げるために、今この瞬間を大切にし、時間をかけることの大切さを説いている。さらに重要なのは、「自分のペースで成長するのでいいんだと、自分を認めてあげる 」ことだと彼女は認識している。

 

一ノ瀬メイ

パラリンピアン, モデル

パラリンピアンでモデルの一ノ瀬メイに関しても、彼女の功績は、自分の”障害”を理由に充実した人生を送ることを止めないという、自分との向き合いの上に成り立っている。

「9歳のとき、ある人からパラリンピックというクールなものがあることを教えてもらいました。それからは、そこにたどり着くことが目標であり、夢でした。その日からトレーニングや競泳を始めました。」

リオ2016パラリンピックで、メイは生涯の夢であった最高レベルの水泳を実現させた。
 

「私がいつも信じていることのひとつは、”ないもの”ではなく、もう”持っているもの”に焦点を当てるべきだということです。」
 

メイの言葉を借りれば、”障害”を生み出すのは社会の認識である。「私の”障害”は短い腕自体ではなく、入会させてもらえなかったスイミングスクールや、すれ違う人にジロジロ見られる時に“障害”を感じます。」

以前は、他人からどう思われるか、コーチからどう思われるか、他人からどう期待されるかということをよく気にしていたことを認めている。

「思考も 言葉も行動も、すべて一致していたわけではないんです。今、この3つの要素が完璧に揃ったと感じたとき、私は強くウェルビーイングを感じるのです」とメイは語った。

それが、パラリンピックのスタート台に立ったときに、彼女を襲った実感であった。他人の意見や期待がどうであれ、レースを泳いでいるのは彼女自身であり、その結果に全責任を持つのは他でもない彼女だけだ。

同様に、人生においても、もっと自分に目を向け、自分の気持ちや言葉に素直になるためのステップを踏むようになった。

「ウェルビーイングやバランスを見つけるのに近道なんてない。人生をかけて身につけるもの。」